江東区亀戸の歯医者、亀戸アイリス歯科です。今回は「歯周病予防」についてのブログです。当院でも歯周病にお悩みの患者様が非常に多く、ぜひその予防の一助として筆を取らせて頂きました。
ぜひ、ご一読頂ければと思います。
歯周病は「細菌のエサ」を断つことから!

歯周病は、歯を支える骨や歯茎が破壊されてしまう病気です。この病気の原因は、主にプラーク(歯垢)の中にいる歯周病菌ですが、これらの細菌が何を「エサ」に増殖しているかご存知でしょうか?
それは、毎日の食事に含まれるある成分です。今回は、歯周病を予防するために「意識して摂りたい栄養素」と「控えたい成分」について詳しく解説します。
歯周病菌が喜ぶ食事……要注意な「炭水化物」

結論から言うと、歯周病菌や虫歯菌の主要なエサとなるのは炭水化物、特に精製された「糖質」です。
1. プラーク(歯垢)の生成を促進
パンやご飯、お菓子、清涼飲料水などに多く含まれる糖質は、お口の中で細菌によって分解されやすい成分です。
この分解の過程で、ねばねばしたプラークの元が作られ、細菌が塊となって歯に付着します。プラークが増えるほど、中に潜む歯周病菌も増殖し、歯周病のリスクを高めます。
2. 口内環境を酸性化し、炎症を悪化させる
細菌が糖を分解する際に生成される「酸」は、お口の中を酸性に傾けます。この環境は、歯周病菌をさらに活発にさせ、歯茎の炎症を悪化させる一因となります。
【ポイント】
高カロリーな加工食品や、清涼飲料水に含まれる多量の精製糖は、炭水化物の中でも特にリスクが高い食べ物・飲み物です。
歯周組織を守る食事……積極摂取したい「タンパク質」

炭水化物を抑えることに加え、歯茎や骨を強くし、炎症から守るためには、タンパク質を意識的に摂取することが非常に大切です。
1. 歯茎と骨の「材料」になる
歯茎(歯肉)や、歯を支える歯槽骨(しそうこつ)の主成分は、コラーゲンというタンパク質です。良質なタンパク質を摂取することは、炎症で破壊されたこれらの組織を修復し、健康な歯茎を再生するための必須の「材料」となります。
2. 免疫力を高めて細菌と戦う
歯周病は細菌感染症です。体内に十分なタンパク質があると、細菌と戦うための免疫細胞や抗体をしっかり作ることができます。免疫力が高い状態を維持することは、歯周病の進行を食い止める上で重要です。
歯周病に負けない!プラスアルファで摂りたい栄養素
タンパク質を土台として、以下の栄養素をバランスよく取り入れることで、さらに強固な歯周病予防になります。
| 栄養素 | 期待できる効果 | 代表的な食品 |
| ビタミンC | コラーゲン生成を助け、歯茎の炎症を抑える抗酸化作用 | 赤ピーマン、ブロッコリー、キウイ、イチゴ |
| カルシウム&ビタミンD | 歯を支える骨(歯槽骨)を丈夫に保つ。 | 牛乳、チーズ、小魚、きのこ類(ビタミンD) |
| オメガ3脂肪酸 | 全身の抗炎症作用があり、歯茎の炎症を和らげる。 |
今日からできる食習慣の改善

歯周病予防の食事は、以下の2点を意識することから始めましょう。
① 炭水化物(特に砂糖などの精製糖質)を控える。
② タンパク質と、それを助けるビタミン・ミネラルを意識的に摂る。
もちろん、食事の改善は重要ですが、食後の適切な歯磨きと、定期的な歯科医院でのプロフェッショナルケアが最も重要であることに変わりはありません。当院では、食生活のアドバイスも含め、お一人お一人に合わせた予防プランをご提案しています。気になる症状がある方は、お気軽にご相談ください。

