マウスピース型矯正について
2021.07.01更新
歯列矯正、と聞くと多くの方がワイヤー矯正(ブラケット矯正)を連想されるのではないでしょうか。
矯正治療にはさまざまな種類があります。今回ご紹介するマウスピース型矯正はワイヤー矯正と並び、代表的な矯正方法のひとつです。
では、マウスピース型矯正と従来のワイヤー矯正にはどのような違いがあるのでしょうか?詳しくご説明いたします。
1.マウスピース型矯正とは
マウスピース型矯正とは、マウスピースを使って歯並びをととのえる矯正治療です。
装着時間はマウスピースの種類によって多少異なりますが、おおむね、1日に20時間以上の装着が必要になります。
ワイヤー矯正は矯正装置(ブラケットとワイヤー)を歯に装着したあとは、原則として治療が終わるまで装置をはずすことができません。
それに対し、マウスピース型矯正は食事や歯磨きのときにマウスピースを自由に取りはずすことができます。
透明なマウスピースを用いるため装着中も目立たないなど、見た目のメリットもあるのが特徴です。
2.マウスピース型矯正のメリット
マウスピース型矯正は従来のワイヤー矯正と比べ、メリットがたくさんあります。
2-1.透明なマウスピースで目立ちにくい
マウスピース型矯正で用いるマウスピースは透明で目立ちにくいです。
ワイヤー矯正が矯正をしていることが一目でわかってしまうのに対し、マウスピース型矯正はちょっと見ただけではマウスピースをつけているのがわからないほど、目立ちません。
2-2.いつでも自由に取りはずし可能
ワイヤー矯正は矯正が終わるまで取りはずせませんが、マウスピース型矯正はご自身でいつでもマウスピースを取りはずすことができます。
自由に取りはずせるマウスピース型矯正であれば、食事をいつもどおりに楽しむことも可能です。
2-3.しっかり歯を磨ける
ワイヤー矯正はワイヤーとブラケットをはずせないため、専用の歯ブラシや清掃器具が必要になります。また、汚れが残りやすいので虫歯や歯周病になるリスクも高まります。
取りはずし可能なマウスピース型矯正なら矯正期間中でもしっかり歯を磨くことができ、歯の健康を保ちやすいです。
2-4.口の中を傷つけることがほとんどない
ワイヤー矯正は金属製のワイヤーやブラケットが口の中の頬や舌を切ってしまうなど、問題点もあります。
マウスピース型矯正で使うマウスピースは身体にやさしい素材(ポリウレタンなど)を使っており、口の中を傷つけることがほとんどありません。
2-5.金属アレルギーを起こさない
ワイヤー矯正では金属製の装置を使用するため、金属アレルギーのリスクが存在します。
マウスピース型矯正は金属は不使用。金属アレルギーを起こす心配がありません。
2-6.大人でも治療を開始しやすい
目立ちやすいワイヤー矯正は見た目のデメリットが多く、成人の方が矯正治療を避ける主な理由となっています。
マウスピース型矯正は目立ちにくい透明なマウスピースを使うため、従来のワイヤー矯正と比べて治療を開始するまでの“見た目のハードル”は低くなります。
冠婚葬祭や面接時、営業職や受付のお仕事など、時と場所に合わせていつでも自由にマウスピースを取りはずせるのもマウスピース型矯正の大きなメリットのひとつです。
3.マウスピース型矯正のデメリット
目立ちにくい、いつでも自由に取りはずせる、など、メリットが多いマウスピース型矯正ですが、デメリットもいくつか存在します。
3-1.重度の歯並びの乱れには対応できないことがある
マウスピース型矯正は重度の受け口(下顎前突、反対咬合)やオープンバイト(開咬)など、症状によっては治療を適用できないことがあります。
3-2.アナログ式の場合、型取りを2週間~1か月に1回程度、行う必要がある
従来のアナログ式のマウスピース型矯正では歯型の型取りを2週間~1か月に1回程度、行う必要があります。このため、患者さんによっては通院自体がストレスになってしまうことも。
-デジタル式マウスピース型矯正「インビザライン」について-
フルデジタル式マウスピース型矯正の「インビザライン」であれば、基本的には型取りは最初の1回のみでOK。従来のアナログ式マウスピース型矯正と比べ、通院にかかる精神的・肉体的な負担を軽減できます。
3-3.アナログ式の場合、マウスピースの精度が低い物もある
従来のアナログ式のマウスピース型矯正で用いるマウスピースは歯型をもとに歯科技工士が手作りで作成します。
このため、マウスピースの精度は技工士の腕前に左右されることになり、場合によっては精度の低いマウスピースができあがってしまうこともあります。
インビザラインは型取りから作成までをすべてデジタル化。オートメーション化された米国国内の工場でカスタムメイドのマウスピースを作成するため、品質にバラつきが無い高精度のマウスピースを使用できます。
4.マウスピース型矯正が向いている方
- ・できるだけ目立たずに矯正治療を受けたい方
- ・営業職や受付など、見た目に気をつける必要がある方
- ・結婚式や発表会、面接など、大事なイベントをひかえている方
- ・軽度のすきっ歯など、比較的症状が軽くワイヤー矯正でなくとも治療可能な方
- ・前歯のみなど、部分的に歯並びを直したい方
マウスピース型矯正についてまとめ
マウスピース型矯正はワイヤー矯正と比べ、見た目はもちろん、食事や歯磨きなどの面においてもメリットの多い治療法です。
これまで見た目の悪さや清掃のしづらさから矯正治療を避けてきた方は、ぜひ、マウスピース型矯正をご検討されてみてはいかがでしょうか。
フルデジタル式マウスピース型矯正の「インビザライン」については、別の記事にて詳しくご紹介をさせていただきます。よろしければそちらもご参照ください。
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